救急車の有料化を問う

今日のお昼にYahoo!ニュースを見ていたらこんな記事を見つけました。

headlines.yahoo.co.jp

 

この記事によると、平成25年の救急車出動件数は591万件であり、1年前に比べて2割もの増加をしているそうです。

さらに、そのほぼ半数もの搬送車が軽症とのこと。

 

どのような場合に不必要に救急車を利用するのか。

気になって調べてみると、

 

・蚊に刺されてかゆい ・海水浴で日焼けした足がヒリヒリする

 

といった「薬塗ってたら治るやん!!!」という様なケースや、

 

・入院予定日だから病院に行きたい ・病院でもらった薬がなくなった

・病院で待つのが面倒だから呼んだ

 

という「あんたは殿様か!」という様なケースも実際にあるようです。

消防庁のホームページにまとめられていました。

 

さらには同じく消防庁が、

 

 救急車利用マニュアル A guide for ambulance services :: 総務省消防庁 

 

というマニュアルまで出す始末。

「〜救急車 必要なのはどんなとき?〜」というサブタイトルがつけられているため、子供向けかと思いきや、ターゲットは完全に大人達。

もちろん老若男女に読んでもらうための工夫ではありますが、こういうマニュアルをつきつけられる私たち大人達ってどうなんでしょうか? 

 

中身としては、救急車を呼んでほしい場合の紹介や、実際の救急車出動件数などのデータがわかりやすいイラスト付きで非常によくまとめられています。

是非、すべての世代に読んでいただきたいマニュアルです。

実際私も、いざ救急車を呼ぶ状況になった場合は「これって本当に呼んでいいの?」であったり、「何を伝えればいいの」といった事をスムーズに処理できるかと言われると不安な部分はあります。

しかし、改めて文章で読むことでそれらをクリアにし、実際の場面に役立てることができるのではないでしょうか。

 

必要な人が救急車を呼べない弊害。

  極端な話ですが、心停止で脳に酸素がいかない状態の場合、その時間が1分違うだけで生存率が10%も下がり、3〜4分続くと生存していても重大な障害が残る確率が非常に高くなります。
しかし、通報があってから救急車が出動し、患者を病院に収容するまでの平均時間がこの10年で9分も伸びています。これは人1人が死ぬには十分すぎる時間です。
 
必要のない救急車の利用のせいで、必要な人が必要なタイミングで治療を受けることができず、亡くなることもあるでしょう。
また、病状が酷いにもかかわらず、救急車が出動するのに時間がかかりすぎるため、タクシーで来院する方もいるそうです。
 

救急車の有料化を問う。

 私は、救急車の有料化には賛成です。
本当に必要な人が救急車を利用できていない一方で、私利私欲のために都合よく救急車を利用する人が半数もいるのは信じがたいです。
しかし、有料化にすることで救急車を呼ぶのをためらう人がいることは事実です。
有料であっても返還制度を作るなどし、必要な人が必要な時に利用できる制度を作っていくことが必要です。
 
 しかし、一番大事なのは使う側のモラルです。
救急車の利用の問題が出てきたのはなぜか?
私は使う側のモラルの低下によるものと思っています。
使う側が、「救急車の台数は限られている」「自分が使うことで、誰かだ呼ぶことができなくなる」という様に、社会全体を見渡すことができれば、今のまま無料であっても何も問題はありません。
何より人の生死が関わることです。
あなたが1回救急車を不必要に呼ぶことで、人が1人死ぬかもしれません。 
 
どんな場合に救急車が必要なのか?
自問自答してみてください。