MOTTAINAIを考える

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このあいだ新聞をふと見たら、この団体の広告が載っていました。

 

MOTTAINAI もったいない モッタイナイ

 

ご存知の方も多いかと思います。

日本語の「もったいない」を合言葉に、「グリーンベルト運動」という植林活動の支援をはじめとし、様々な活動をおこなっています。 

MOTTAINAI」という言葉を、世界共通語にするための取り組みも行っています。

 

しかしその一方で日本がある問題において、世界で5本の指に入るほどもったいない国ということを知っていますか?

その問題とは、食品廃棄です。

 

 

日本の食品廃棄のデータ

まずは、日本の食品廃棄の現状を見てみます。

日本では年間8,500万トンほどの食品が消費され、1,700万トンが食品廃棄物として排出されています。

そのうちの500~800万トンが、「食品ロス」つまり食べられるのに捨てられている部分なのです。

 

この食品ロスの量は、世界全体が年間に行う食料援助量の約2倍。

日本が援助しているナミビアリベリアコンゴ民主共和国の合計の人口、約7,500万人の人々の年間消費量と同じです。

 

また、一人当たりの食品廃棄量は134kg/人であり、フランス・イギリス・ドイツ・アメリカについで多い量です。

 

 

世界の動き

この問題に対する各国の動きを見て行きます。

ヨーロッパでは2014年を「ヨーロッパ反食品廃棄年」と位置づけ、2020年までに食料廃棄物を半減させるための対策を、欧州議会加盟国に義務づけました。

それに対する動きとして、フランスでは2015年5月、スーパーマーケットに対して食品廃棄を禁止する法案が可決されました。

売れ残った食品のうち、まだ食べられるものは慈善団体への寄付か、家畜の飼料か農業用の対比への転用を義務づけるものです。

 

OCED(経済協力開発機構)は加盟国を対象に、フードチェーンにおける食品廃棄物に関する統計の収集と比較分析を行うそうです。

 

一方日本では、食品製造業・卸売業・小売業の大手10数社が集まって「食品ロスのための商慣習検討ワーキングチーム」を設置。

企業個別ではなく業界全体で調査を行い。認識の共有と慣習見直しに向けての取り組みを実施しているそうです。

 

 

一番大事なこと

各国共に、この問題に向けて様々な取り組みをおこなっています。

しかし食品廃棄が一番行われているのは、外食チェーンやスーパーマーケットやコンビニではありません。

食品廃棄の約60%が家庭での消費によるものなのです。

 

食べきれない為に捨てる。期限が切れてしまったため捨てる。

口に合わなかったため捨てる。嫌いな食べ物だから捨てる。

誰でも経験があるのではないでしょうか。

それが積もり積もって300万トン以上のMOTTAINAIにつながるのです。

 

今日本は飽食の時代であり、ほとんどどこにいてもいつでも食品が手に入ります。

だからといって、食品を無駄にしていいものなのでしょうか。

必要以上に廃棄する事で、ゴミが増えて環境への負荷が大きくなります。

必要以上に輸入する事で、必要な人の手元に食品が届いていないかもしれません。

 

この問題は規模が大きく、目に見えてすぐに解決する問題ではありません。

だからこそ1人1人が少しずつでもMOTTAINAIを意識して、必要の無い食品廃棄を減らすことが大事なのではないでしょうか。